技術コラム
COLUMN
技術解説
研削加工のメリット・デメリットについて
「研削加工」とは、研削砥石を高速回転させ工作物に一定の切込みを与えて不要な部分を削り取る「除去加工」です。研削砥石の中にある微細な砥粒は、切れ刃の役割を持ち、非常に硬く、工作物の表面を僅かに削り取る加工に適しており、通常、機械加工においては最終の仕上加工となります。初回技術コラムは、研削加工のメリットとデメリットについて解説します。
研削加工のメリット
・高精度な加工に適している
研削砥石の中の切れ刃である1mm以下の微細で硬い砥粒が多数あり、高速回転させて僅かに削り取る加工の為、寸法精度、形状精度が高く、滑らかな表面粗さを得ることができます。
・高硬度素材の加工にも適用できる
研削砥石は、酸化アルミニウム(Al2O3)や炭化ケイ素(SiO2)、超砥粒ホイールでは、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ 素(cBN)などの硬い材質が砥粒として用いられます。また、砥石には加工中に砥粒の切れ刃が摩耗しても、砥粒が脱落し次の砥粒がでてくる自生作用が働き、焼入れ鋼などの硬い素材でも安定した加工を行うことができます。
研削加工のデメリット
・加工時間が長くなる
切削加工のように切込みを大きく入れた除去加工ができないので、一般的に加工時間は長くなります。砥石に仕上がり形状を付与して大きな切込みで加工する「クリープフィード研削」という加工手法もあります。この場合、適した材質・構造の砥石や設備を選定する必要があります。
・加工中に熱が発生しやすく、焼け、割れ、変形のリスクがある
研削砥石の周速は10~60m/Sであり、工作物と砥石の間には熱が発生します。そのため、熱による工作物の焼け、割れ、変形のリスクがあり、研削液で冷却しながら加工するなど対策が必要となります。当社では、クーラント液の温度管理に加え、磁気式やペーパーフィルターによる切屑除去によって清浄度を保つことで冷却能力の維持管理を行い、熱によるデメリットの発生を抑制して加工しています。
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初回は、研削加工のメリット・デメリットについて解説しました。研削マスターズでは、あらゆる研削ニーズに対応できる加工設備・蓄積してきた技術ノウハウを基に精密研削加工に対応しております。1個からの単品加工、短納期対応もお任せください。研削加工でお困りの方はまずは研削マスターズにお問い合せ下さい。