技術コラム
COLUMN
技術解説
砥石の粒度とは
今回は、砥石の性能を左右する5因子のうちの、砥石の「粒度」について解説します。
1.粒度とは
粒度とは砥粒の大きさを示すもので、粒度は数値で表されます。数値が低いほど砥粒は大きくなり、高いほど砥粒は小さくなります。砥粒は、ふるいを使用した試験などによって分けられており、粗粒(F4~F220)、一般研磨用微粉(F230~F1200)、精密研磨用微粉(#240~#8000)の3区分に分類されています。超砥粒ホイールについては別の規格があり、表示方法や砥粒の区分については、JIS B4130で決められています。
2.砥粒の特性と研削加工条件
粒度が低い砥石は、切り刃が大きく、切り屑の排出能力も高いので目詰まりはしにくくなりますが、研削面の表面粗さは粗くなります。一方、粒度の高い砥石は、切れ刃が小さいため、目詰まりしやすくなりますが、研削面の表面粗さは小さくなります。
粒度の低い砥石は荒研削に、粒度の高い砥石は仕上げ研削に使用されます。また、工作物の材質が粘質、軟質の場合は目詰まりしやすいので粒度の低い砥石を選定します。図のようにその他、砥石の接触面積、砥石の大きさ、結合剤の種類も考慮する必要があります。このように粒度は、加工条件に大きく影響を与える大事な因子のひとつです。