技術コラム
COLUMN
技術解説
砥石の結合度とは
今回は、砥石の性能を左右する5因子のうちの、研削砥石の「結合度」について解説します。
1.結合度とは
結合度とは、砥粒を保持している度合い(強さ、硬さ)を表したものです。結合度はアルファベットの序列で表され、Zに近づくほど結合度は高くなり硬い砥石となり、Aに近づくほど結合度は低くなり柔らかい砥石となります。結合度はメーカーによって表記が異なり、同じアルファベットであっても同じ硬さというわけではないので注意が必要です。
2.結合度と研削加工条件
一般的に工作物の材質が硬質脆質の場合は結合度の低い(柔らかい)砥石を軟質粘質の場合は結合度の高い(硬い)砥石を用います。結合度の低い(柔らかい)砥石は、砥粒同士の保持力を弱いので、次々と砥粒が破砕、脱落することで切れ味を保つことができますが、砥石の寿命は短くなります。逆に結合度の高い(硬い)砥石は、砥粒同士の保持力が強いので、砥粒が欠落しにくいので目つぶれしやすく切れ味は低下しますが、砥石の寿命は高寿命となります。また、精密研削には結合度の低い砥石を粗研削には結合度の高い砥石を選択します。