技術コラム
COLUMN
技術解説
砥石の組織とは
今回は、砥石の性能を左右する5因子のうちの、研削砥石の「組織」について解説します。
1.組織とは
組織とは、砥石の体積割合でどのくらい砥粒が含まれているかを表し、「砥粒率」と呼ばれます。
一般砥石の場合は、比率を15段階に分類し、組織0の時砥粒率を62%とし、組織番号が上がるにつれて砥粒率を2%ずつ下げています。数字が上がるにつれて、砥石に含まれる砥粒の割合が下がるので粗い砥石となります。
超砥粒ホイールの場合は、組織ではなく「集中度」を用います。集中度200は、砥粒率50%、集中度100は、砥粒率25%と表しています。集中度の数字が上がるにつれて、密な砥石となります。
2.組織と研削性能
一般的に工作物の材質が硬質脆質の場合は組織が密な砥石を軟質粘質の場合は組織が粗な砥石を用います。組織が粗の場合は、図のように気孔の割合が増え、砥粒同士の間隔が広くなるので切り屑の排出能力は高くなります。砥粒(切れ刃)1粒当たりの負担は大きくなり、自生作用も高まるため切れ味は良くなりますが、表面粗さは粗くなります。逆に組織が密な場合は、気孔の割合が減る為、切り屑の排出能力は低くなります。砥粒(切れ刃)1粒当たりにかかる負担は小さくなり、目づまりしやすく切れ味は劣りますが、良好な表面粗さを得ることができます。