技術コラム
COLUMN
技術解説
目こぼれ・目つぶれ・目づまりとは
今回は、研削加工時における砥石への影響として、「目こぼれ」・「目つぶれ」・「目づまり」という現象が発生します。今回はこの3つの現象について解説いたします。
1.目こぼれとは
目こぼれとは、砥石の結合度の柔らかい砥石を用いて重研削を行った場合に起きる現象で、砥粒同士を繋ぎ留める保持力が弱いので、まだ研磨力のある砥粒が次々と脱落する状態を言います。すなわち、切れ刃が脱落し、欠けた状態になっています。鋭利な砥粒が次々と出現するので、切れ味は良好になる一方、砥石の摩耗量は多くなります。その為、砥石形状は保てず、寸法精度、面相度は悪化します。
2.目つぶれとは
目つぶれとは、砥石の結合度の硬い砥石を用いて軽研削を行った場合に起きる現象で、砥粒同士を繋ぎ留める保持力が強いので、砥粒が脱落せず切れ刃が摩耗する状態を言います。すなわち、切れ刃が摩耗し、鈍器な状態になっています。砥粒が脱落しない為、自生作用が働かず、切れ味は作業の進行とともに悪化します。その為、研削抵抗が大きくなり、接触面の研削温度が高く研削焼けやビビりが発生しやすくなります。
3.目づまりとは
目づまりとは、アルミニウム、銅などの軟質金属を研削する場合に生じやすい現象で、砥石表面の砥粒間のポケット(気孔)に切り屑が詰まった状態を言います。砥粒の切れ刃は鋭利な状態にもかかわらず、切り屑で塞がれることで自生作用が働かない為、切れ味は悪く、研削抵抗が大きくなる現象が発生します。