SOLUTION事業内容
Fe基アモルファス合金、パーメンジュールを使用し、優れた磁気特性を活かしたモーターコアの製造を行っております。
試作から量産までお客様の幅広いニーズにお応え致します。
ニーズに応じて「Fe基アモルファス合金」または「パーメンジュール」を使い分け可能
鉄損の低いFe基アモルファス合金や飽和磁束密度の高いパーメンジュールの箔(薄板)を積層、接着しモーターコアを製造しております。
高効率化を求める場合はFe基アモルファス合金、小型化、高トルク化を求める場合はパーメンジュール、といった材料の使い分けが可能です。
上記Fe基アモルファス合金およびパーメンジュールは株式会社プロテリアルの製品であり、ホームページからの引用および株式会社プロテリアルよりご提供頂きましたデータを記載しております。パーメンジュールのデータは850℃ 3H in H2熱処理後の値。「YEP」は株式会社プロテリアルの登録商標です。尚、記載データは代表値を記載しておりますので、実用データと異なる場合がございますことをご了承ください。
株式会社プロテリアル製素材の情報はこちら:電力変圧器用アモルファス金属材料 高磁束密度軟磁性材料パーメンジュール
効率とトルクの性能を比較
パーメンジュール製コアと一般的なケイ素鋼板製コアをDCブラシレスモーターに組み込み、効率とトルクの性能比較を行いました。
【結果①】効率が平均4.5%向上!
ケイ素鋼板コアを使ったモーターとパーメンジュールコアを使ったモーターの特性曲線を重ねたグラフです。
パーメンジュールコアを使ったものは効率が平均4.5%向上しました。
【結果②】トルクが平均15%向上!
各モーターの電流-トルク特性です。
パーメンジュールコアを使ったものはトルクが平均15%向上しました。
パーメンジュールの積層コアにより、同じサイズでモーターの高トルク化、同じトルクでモーターの小型化が可能です
当社は「TATARA Project」に参画しています
2018年11月、島根県の産官学金を挙げて、地方創生を推進するビッグプロジェクト
「先端金属素材グローバル拠点の創出~Next Generation TATARA Project」がスタートしました。
当社もモーター用アモルファスコアの量産化技術の確立に関するプロジェクトに参画しています。
効率性能を比較
アモルファス製コアと一般的なケイ素鋼板製コアをDCブラシレスモーターに組み込み、効率性能の比較を行いました。
【結果】効率が平均9%向上!
ケイ素鋼板コアを使ったモーターとアモルファスコアを使ったモーターの特性曲線を重ねたグラフです。
アモルファスコアを使ったものは効率が平均9%向上しました。
アモルファスの積層コアにより、省エネに貢献するモーターの高効率化が可能です
SPring-8様(大型放射光施設)へパーメンジュール製四極電磁石ヨークの試作品を納入しました。
国立研究開発法人 理化学研究所殿へ、SPring-8(大型放射光施設)で使用される四極電磁石ヨークの試作品を納入致しました。
【電磁石ヨークの概要】
概略寸法:540x540mm (奥行180mm)
磁極材質:パーメンジュール
SPring-8の蓄積リングで使用される、電磁石の試作品です。
パーメンジュールを使用することで、より強力な磁場の発生が期待できます。
【製品技術】
今回、材料手配から設計・熱処理・加工・組立・塗装まで、一貫して弊社で対応致しました。
磁極はパーメンジュールの積層体を使用しています。
積層厚が約180mm(約900枚)と厚く、均一に積層するために高度な積層接着技術が求められました。
この電磁石は、四つの磁極先端に数十µmの位置精度が要求され、さらに磁極の分割・再組立が要求されるため、寸法バラツキの低減や高精度基準面の実現に、弊社の機械加工技術が活かされています。
パーメンジュールとは、軟磁性材料の中で最も飽和磁束密度が高い材料であり、その性能の高さから近年注目を集めています。
その用途は幅広く、駆動部品、モーターコア(航空機、モータースポーツ、医療、各種アクチュエータ等)など、よりハイパワーなモーターや発電機が必要とされる分野に採用されています。
そのほか、電子顕微鏡ヨークなどの磁界レンズや、測定機器、最新のプリンタヘッドなど、高い信頼性の要求される分野において、装置の性能を左右する重要な要素部品として用いられています。
当社で製造する積層モーターコアには、株式会社プロテリアル製のパーメンジュール(または用途に応じてFe基アモルファス合金)を採用しています。
磁場を加えると磁化する磁性材料について、磁性の観点から分類すると、図のように常磁性体・反磁性体・強磁性体の3つに分類されます。
常磁性体は、外部磁場がない時は磁性を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する性質を持つ材料を指します。磁石を近づけると磁性を示しますが、磁石につくほどの反応はありません。
反磁性体は強い磁場の中に置かれると磁場とは逆向きに磁化され、磁石に反発する力が生じる性質を持つ、水やガラスなどの材料を指します。
強磁性体は、磁場により強く磁化される性質を持つ材料を指します。一般的に強磁性体が磁性材料と称されます。
強磁性材料は、保磁力の大きさによりさらに軟質磁性材、半硬質磁性材、硬質磁性材に分けられます。軟質磁性材は、保磁力が小さく透磁率が大きい材料のため、材料に磁場(磁界)を与えた際には磁化され易く、また、磁場を取り除くと見かけ上磁力はほとんどなくなります。一方、硬質磁性材は、保磁力が大きいため、磁場を与えて磁化された後、磁場を取り除いても磁力が残ります。そのため永久磁石として使用されています。
強磁性の保磁力の範囲は、およそ下記の通りです。
パーメンジュールとは軟磁性材料のひとつで、1929年米国のElemen氏により、Fe-50%Coのパーメンジュールが開発されました。実用化された軟磁性材料の中で最大の飽和磁束密度をもつことから、強い磁力が要求される分野で活用されています。見方を変えれば、小さくても同じ磁力が得られるため、部品の小型化も可能です。また、振動吸収性も有り、アクチュエーター分野でメリットが発揮されます。
一方で、パーメンジュールは硬く脆い材料であり冷間加工や切削加工が難しく、難加工材料と言われています。加工性改善のためバナジウムを添加した組成(Fe-49Co-2V)が一般に用いられていますが、複雑な形状や薄肉加工など高い精度が求められる加工では、一般の構造用鋼に比べると加工が困難な材料であり、高度な技術力を持つ限られた金属加工業者でしか加工ができません。また、レアメタルでもあるコバルト(Co)を49%含むため、高価かつCo原料の市場価格の動向に左右されることもデメリットとして挙げられます。
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